チームバチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。そして、映画にもなった"チームバチスタの栄光"。
いかにも・・・って感じでちょっと疎遠しがちな作品。しかも、"バチスタ"って・・・、医龍の二番煎じとしか思えない。
けど、逆に言えば読みやすいんじゃね?って事で買ってみました、上下巻。
これが面白かったー!売れてるわけだよ。一気に上下巻。読むなら絶対に上下巻揃える事をお勧めします。

ストーリーはエリート医師・桐生率いるチームバチスタで3件連続で原因不明の術死が発生。それを(なぜか)ヤル気のない万年講師の「田口」が(なぜか)院長に頼まれてやむなく原因を調査していく。そして、連続術死の真相を暴くっ!的な話。
いかにもって感じだけど、この田口はけっして探偵でいうホームズではなくあくまでワトソン。ホームズは"ロジカルモンスター"こと、「白鳥」。
調査方法は「応用心理学」を用いた「パッシブフェーズ」「アクティブフェーズ」。前半は田口が相手の話をありのままに聞く「パッシブフェーズ」で進め、後半登場する"ロジカルモンスター白鳥"が相手を挑発したり、怒らせる中で相手の本音を暴く「アクティブフェーズ」で荒治療。まったくかみ合わないこの2人が事件究明に関わるんだけど、この2人の息の合わない掛け合いが非常に面白い。
調査の為にはどんなに気に障ることでもバシバシ突っ込んでく「アクティブフェーズ」を駆使して、事件は核心へと進む。とうとう、白鳥が来てから最初の手術へ。多分、ここが最大の見せ場でもあり白鳥自身の凄さをまざまざと見せ付けられる場面。オペが終わってから物語が終わるまでの間まで途中で投げ出す事が出来ない。意外な人物の意外な動機、そして、今後の東城大学医学部付属病院と登場人物達の末路。
ミステリー色は弱いかもしれないけど、読み終えて、気持ちがいいと思える小説です。ヘタなドラマみるより断然面白いっ!!


白鳥にまったくついていけない田口だったけど、最後は「パッシブフェーズ」の免許皆伝もらってた。そもそも、田口じゃなくても白鳥並みの「アクティブフェーズ」を使いこなすのは至難の業だと思う。